フィギャーノートを利用しようと思ったきっかけ

 大人やシニア世代〜高齢者になって、
「今から読譜の勉強をして楽譜を読めるようになるには一体どれだけの年月がかかるのだろう・・・」
「ピアノはいつになったら弾けるようになるのだろう・・・」
とピアノを習いに行くのも億劫になっていませんか?

読譜は特殊能力?・・・ではないです

 鍵盤を見ると同じような白黒が並んでいるし、楽譜はおたまじゃくしがいっぱいで、ドレミを書き込んでもらっても高さが違うと全く違ったメロディに聞こえるので、ピアノを弾くのは特殊な能力なのか?とあきらめている方もいらっしゃると思います。
 もちろんそんなことはないのです。

小学校でもフィギャーノートを!

 最近ではこのフィギャーノートを小学校の音楽の授業に取り入れる活動が始まっています。
 今までの指導経験から、五線譜と音符の仕組みを1から丁寧にお伝えしても音符を理解するのが困難な生徒さんもいらっしゃいます。感覚的に理解できる場合もありますが、まずは読譜ができるようにと読譜のために音符カードや反復練習ばかりとなってしまった経験もありました。

私の息子にも教えてあげたかった・・・

 個人的なお話ですが、私の息子は全くピアノを習っていなく、楽譜も読めません。
「ピアノ教室のお子さんだからそんなことはないでしょう?」とよく言われましたが小学校で習う程度の音符もほぼ読めず、読譜の理解をしないまま中学校を卒業しました。
 
 高校入学後、お友達の影響でポツポツとピアノを弾き始めました。練習していくうちに今流行りの曲を耳コピ(耳で聞いて弾くスタイル)でストリートピアノでも弾くようにもなり、YouTube でシンセシア(上から棒が鍵盤に向けて落ちてくる動画)を見ながらピアノを弾いて楽しんでいます。

 私は息子の姿を見て、こういう楽しみ方もありなんだな、と考え方を変えました。
 もちろん、ピアノ学習には読譜をはじめ基礎の勉強は必要です。でも理解できない場合もあります。我が子が実際にそうだったので、同じように読譜に苦しむ大人の方やお子様はたくさんいらっしゃると思います。

 ある時息子に

「楽譜を読むのが難しい生徒さんにはどうしたらいいと思う?」
 
と、尋ねました。

息子「楽譜なんて読めなくてもピアノは弾けるよ、耳コピだって楽しく弾きたい人もいるよ」

と…衝撃的でした。

「じゃぁピアノ教室の意味ってある?」

と聞くと、

息子「基礎から習わなくても楽しく弾いて、音とかリズムが合っているかチェックを受けたい人もいるんじゃない?」
 
とのことでした。長年ピアノ教室をしてきた私は撃沈しました。
 
さらに、

「読譜が苦手な人でもピアノが弾ける形象色音符(フィギャーノート)っていう読み方があるんだけどどう思う?」

と仕組みをみせたところ、

息子「こんなにわかりやすいのに、なんでこれを小学校で教えてくれなかったんだろう」
  「これがあったらリコーダーも簡単にできたのに・・・」

 
と残念がっていました。

ピアノの楽しみ方はいろいろあっていい

 フィギャーノートを利用してピアノが弾けるようになって、たくさんの曲を弾けるようになったら世界は広がります。このメソードは音符の理解だけでなく同時に音価(音の長さ)やリズムもわかりやすい形で表されているので、もし五線譜に移行しても大丈夫そうでしたら徐々に読譜に繋げて通常の楽譜で演奏することにも可能なメソードになっています。もちろん楽譜に移行せずそのまま継続しても大丈夫です。
 逆に、通常の楽譜でレッスンしながらフィギャーノートの要素を取り入れて読譜をしやすくする方法もあります。

 私自身、息子がスラスラと読譜ができる子供だったらこのフィギャーノートの必要性を感じなかったかもしれません。
 実際、息子は小学校に行くのもつらい時期もありましたし、算数も劇的に苦手、音楽の授業は好きだけど楽譜は解読不能、興味のない分野は完全にやる気ゼロで、興味のあることについては異常なくらい突き詰める・・・この先大丈夫かしらと不安になって悩んだこともありましたが、そんな心配をよそに今は楽しくピアノを弾いています。

 今、これを読んでくださっているお子様をお持ちの親御さんも色々な不安や悩みをお持ちだと思います。年齢に関係なく音楽が好きなお子様でピアノを楽しく弾かせてあげたい、お子様に限らずシニア世代の方も楽譜に対する恐怖心をお持ちの方に何かお役に立てることがあればと思います。